RELEASE

FLATPLAY new e.p.『Slightedge』

  • tracklist
    1. Slightedge
    2. Orpus
    3. Orpus (Altone rephrase)

発売日:2020.09.09 (wed)
発売元:Native Archives / BAYON PRODUCTION
FANLINK
https://lnk.to/flatplay-slightedge

ダブの煙の合間にきらめく電子音とともにグルーヴするマシン・ビート── Sohei Shinozakiによるテクノ・プロジェクト、FLATLPLAYの新作『Slightedge』。初夏にリリースしたシングル「Scarp」に続き、2020年の2作目、3曲入りの作品となる。彼の名前、そしてその姿は、いまやD.A.N.のライヴ・サポート、いわばステージ上の第5のメンバーとでも言うべき存在として知っている人も多いだろう。小林うてなとともに、いまやD.A.N.のライヴでは欠かせないキーボーディストとして活躍している。ノイズ系のユニットとしてスタートし、デトロイト・テクノのオリジネイター、ホアン・アトキンスに大きな衝撃を受けるなど、いつしかFLATPLAYと名乗る頃になった頃にはテクノになっていたという本プロジェクトだが、これまでに6人編制のライヴや、1作目の2018年『FirstExtended Play』リリースの頃にはライヴ・ドラムとのデュオなど、さまざまな変遷があるようだが、現在ではソロ・プロジェクトとして落ち着いている模様だ。2015年、その才能を世に示したのが、D.A.N.のファースト・リリース「EP」に提供した「Beach」のリミックス、次いでそのプロジェクトの全貌を示したのが2018年の『FirstExtendedPlay』といえるだろう。その後はD.A.N.への本格的なライヴでのコミットを経て、冒頭に紹介した「Scarp」をリリースし、ディスコグラフィー的には本作で3作品目のリリースとなる。本EPの冒頭を飾る表題曲「Slightedge」は力強いキックとともに、幻想的な雰囲気のなかで徐々にビルドアップ、印象的な女性ヴォーカルが、楽曲のさらなるスケールの増大を示す曲で、それこそ、その空気感はどこか彼のルーツとも言えるデトロイト・テクノの力強さを感じるものだ。続く「Orpus」はもう少しミニマルに振れた作品で、疾走するグルーヴとともに抑制されたテンションがジワリとジワリと上がっていくなか、物語を描いていくウワモノが気持ち良く駆け抜けていく。そして最後の「Orpus (Altone Rephrase) 」は、その名の通り、「Orpus」の別ヴァージョン、というかダブ・ヴァージョン。モーリッツ・フォン・オズワルド/マーク・エルネスタスによる、1990年代中頃の後期ベーシック・チャンネル〜Mシリーズを彷彿とさせる楽曲で、ハイハットとブーストされたベースが淡々としたグルーヴを刻むなか、微細なエコーと電子音が行き来するミニマル・ダブとなっている。ダンスフロアへと向かうテクノではあるが、いわゆるDJツールとも違った表現力、その深みをさらに増したFLATPLAYの作品。新たなスケール感がもたらす、そのサウンドが開くフィールドに今後も期待が募る、そんな作品となっている。
(河村祐介/OTOTOY)

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《Profile》
2015年、パフォーミング・ノイズ・ユニット「乾燥胎児」を母体に東京都在住のSohei Shinozakiによるソロ・ユニットとして始動。その豊富なバンド経験を元手に様々なジャンルの音楽要素を取り入れ、ミニマル・サウンドへと昇華する形でトラック・メイキング、ライブ活動を行っている。現行のシーンでも無二の存在として注目を浴びているD.A.N.の自主制作音源集『DAN ZINE』及び『EP』にremixを提供したことから注目され始め、生で演奏すると言う事にはらみ込む一つの持続感を注ぎ込んだビート・トラックは業界を始めとして賞賛を集め始めている。2019年からD.A.N.のSupport Memberとしてライブに参加している。2017年3月に『First Extendet Play』をリリース。