RELEASE

D.A.N. 12inch Vinyl『Sonatine』

  • DISC 1
    side A
    1. Start
    2. Chance
    side B
    1. Sundance
    2. Cyberphunk
    3. Debris
  • DISC 2
    side C
    1. Pendulum
    2. Replica
    side D
    1. Borderland
    2. Orange

発売日:2019年4月17日 (wed) 価格:¥3,800(税抜価格) 品番:SSWB-009
形態:12inch Vinyl (2LP) / 発売元:SSWB/BAYON PRODUCTION


London,UKのMetropolis Studiosで再マスタリングを行い、音質に拘り抜いた名盤がクリアヴァイナル仕様でアナログ化。今作のマスタリング・エンジニアには、The xx、Gorillaz、FKA Twigs、DUA LIPA、Lana Del Rey、Led Zeppelinなどを手掛けるJohn Davisが担当。
――――――
“Sonatine” liner notes
トリップの入り口となるようなイントロ「Start」、きらめくシンセのトーン、そして畳み掛ける後半のコズミックなトランス感がキラーな先行シングル「Chance」で本アルバムは幕開けとなる。アーサー・ラッセルのロウなエクスペリメンタル・ディスコを想起させるグルーヴィーな「Sundance」は、陶酔するディープ・ハウスの所作をものにしてみせたことをクールに示す。ベース・ミュージック~IDMのグルーヴや音色を彼らなりに昇華してみせたインスト「Cyberphunk」、そして続くはミュージック・コンクレートなインターバル「Debris」とアルバムは進んで行く。こうした楽曲たちはバンドとして彼らが新たな表現を見につけたことを端的に物語るサウンドだ。そしてアルバム後半、「Pendulum」は、ミニマルなフレーズに絡め取られる、その歌詞は前作の「Curtain」を想起させるSF的なモチーフが巡るコズミック・ブルース。先行シングルとして「Chance」とともにリリースされたアンビエントR&B「Replica」。コズミックなステッパーでグルーヴィーに進むリズム隊、そしてドラマチックに展開していくヴォーカルとシンセがフィールドを駆け巡る「Borderland」。その高揚感は、本アルバム後半のクライマックスのひとつと言えるだろう。まさに彼らの真骨頂とも言えるメロウ&チルアウト、そして美しくもメランコリックな情景を描くリリック、R&Bトラック「Orange」で本アルバムは閉じる。ある意味で3人のバンドとしての表現力をストレートに拡大させたサウンドを効かせている。
またひとつスケール感、そして次なる次元へと踏み込んだD.A.N.の新作。その先の道も、そこに死角はなさそうだ。
text by 河村祐介
――――――